ナ
ノ構造制御による無機機能材料の開発と応用
〜未来を拓く太陽
電池,発光素子,電磁気材料の開発研究〜
「ナノ構造
制御による無機機能材料の開発と応用」をテーマに,化学的な手法をフルに活用してナノスケールまで構造を制御した無機材料を開発し,
無機材料の特性とナノ構造との相関解明を進めています。さらに,これら材料の色素増感太陽電池や無機EL素子への応用まで,幅広く研究を展開しています。
Staff
教授: 花屋 実
mhanaya@gunma-u.ac.jp
准教授: 藤沢 潤一
jfujisawa@gunma-u.ac.jp
研究内容
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最近の研究成果
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色素増感太陽電池の世界最高効率14.3%を報告 (Chem. Comm.の表紙に採用)
(K. Kakiage, Y. Aoyama, T. Yano, K. Oya, J. Fujisawa, M. Hanaya, Chem. Comm. 2015, 51, 15894)
私たちの研究グループでは、ケイ素が元素特性に基づき無機化合物と有機化合物にまたがる広範なケイ素化合物群を形成することに着目し、色素増感太陽電池の二酸化チタン電極 表面に吸着させるアンカー基としてアルコキシシリル基を有する増感色素を開発してきました。その成果として、アルコキシシリルカルバゾール色素とトリフェニルアミン系カルボン酸色素の2つの色素を吸着させた電極では、協調的増感作用が発現することを見出し、標準的な1 sunの照射下で世界最高となる14.3%の太陽光-電気エネルギー変換効率を達成することに成功しました。この電池の光電変換効率は、低照度(0.5 sun)下では14.7%に達します。
- 色素増感太陽電池で世界最高電圧1.4Vを実現
(K. Kakiage, H. Osada, Y. Aoyama, T. Yano, K. Oya, S. Iwamoto, J. Fujisawa, M. Hanaya, Sci. Rep. 2016, 6, 35888)
色素増感太陽電池の電解液として、従来のヨウ素系に代えて酸化還元電位の高い臭素系電解液を用い、アルコキシシルリクマリン色素にオリゴチオフェンを導入してHOMOレベルをチューニングし、さらに二酸化チタンにマグネシウムをドープして伝導体の下端レベルを上昇させること等を組み合わせ、色素増感太陽電池としては世界最高となる1.45 Vの光起電圧を室温で得ることに成功しました。さらに電池の温度を5 ℃まで低下させた場合には、光起電圧は乾電池と同等の1.50 Vに達します。